県は26日、今年3~9月にかけての新型コロナウイルスの感染「第4波」「第5波」を振り返る中間報告を公表した。クラスター(集団感染)の内訳で、最も多かったのが「家庭内」で、106件(感染者数646人)、次いで社会福祉施設が多く43件(同640人)だった。医療関係者によると沖縄は多世代の同居や近居が多く、親戚間の交流が盛んといった事情が家庭内の多さにつながっている可能性があるという。
クラスターは家庭、施設に続き、職場・事業所で30件(341人)、飲食が30件(202人)だった。
県は4月以降、国がクラスターの基準とする5人以上の事例は基本的に公表することになっている。県外の集計法や公表基準などの違いもあり、一概に比較できないが、全国は企業や高齢者福祉施設でクラスターが発生するケースが多く、沖縄の家庭内の多さは「異例」(医療関係者)と見られる。
死亡者の感染経路は病院施設内(43・3%)、福祉施設内(26・9%)で、両機関で約7割を占めた。
検査実績は行政、保険診療検査を合わせて24万5千件に上り、人口比では全国で3番目に多かった。
一方、那覇空港のPCR検査は、夏休み時期の8月に検査待ちや予約が取りにくい状況が生じたとし今後、1日当たりの検査能力をこれまでより500件多い、1500件まで強化する。
感染流行「第6波」に備え、病床や宿泊療養施設の確保に加え、在宅医療提供体制を強化し、自宅療養者のフォローアップを図るとした。
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