SACO合意25年 基地は県内たらい回し、負担軽減遠く


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社
住宅地に隣接する米軍普天間飛行場=9月22日、宜野湾市

 在沖米軍基地約5千ヘクタールの返還や訓練移転などを定めた1996年の日米特別行動委員会(SACO)最終報告から2日で25年がたった。SACOで決められた11施設の返還には、県内での代替施設建設や機能移転が条件となっている。基地負担のたらい回しで負担軽減に逆行するだけでなく、使用が長期化し、負担の固定化につながる恐れがある。

【まとめ】相次ぐ事故、目的外使用…基地の地元は今

 最終報告に基づく返還や移設は、沖縄の基地負担を軽減する名目で日本政府が費用を負担しているが、米軍にとっては好都合な施設更新となっている側面がある。

 最も返還面積の広い北部訓練場(部分返還約4千ヘクタール)は、残った土地にヘリパッド(発着帯)を移設することが条件だった。集落を取り囲むようにヘリパッドが建設され、騒音の発生回数が増えた。

 全国の米軍専用施設の70・3%が沖縄に集中しており、SACOで決まった土地返還が全て実現したとしても、全国比69・6%に微減するだけだ。SACO後に決まった名護市辺野古の新基地建設の面積を計算に入れると、沖縄への基地の集中度合いはさらに上がる。

 玉城デニー知事はSACOを見直し、改めて日米両政府に県を加えて協議するよう求めている。 (明真南斗)


 

【関連記事】

▼また空から危険が…夜の住宅街に衝撃音 オスプレイから落下した水筒は原形なく

▼【動画】街の低空、揺れる物体…普天間オスプレイつり下げ訓練

▼「すごい近い」座間味沖で2機が低空飛行【動画】

▼【深掘り】沖縄全域が「訓練場」に…中国を念頭に日米一体化

▼辺野古抗議は「プロ市民」?沖縄の基地ウソ/ホント

▼連載「辺野古不承認の深層」をまとめ読み