「逃げて」窓が空から降る恐怖…運動場の児童証言、衝撃で体調崩す 米軍ヘリ窓落下4年


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ヘリ窓落下当時2年生で運動場にいた児童が4年生の時に書いた感想文

 2017年12月13日、米軍普天間飛行場所属のCH53E大型ヘリの窓(重さ7・7キロ)が普天間第二小学校の運動場に落下した。16年12月13日には、同基地の垂直離着陸輸送機MV22オスプレイが名護市安部の沿岸部に墜落した。普天間第二小に窓が落下した時、運動場にいた男子児童(12)と母親(36)が本紙の取材に応じた。児童は事故から約2カ月、気分不良などで欠席や早退を繰り返した。担任教師や友人の支えで持ち直したが、母親は「あのままだと不登校になっていたかもしれない」と振り返った。 

 窓の落下当時、2年生だった児童は体育の授業で準備体操をしていたと記憶している。上空に「何かある」と思った次の瞬間には、窓が目の前に落ちてきたという。児童の数メートル先だった。教員が「逃げて」と声を張り上げ、児童らは校舎へ避難した。

 教室に戻り、学級全体が騒がしかったことを覚えているが、その他の記憶は残っていない。母親によると、学校から「気分不良で保健室にいる」と連絡を受けて迎えに行った。

宜野湾市の真ん中に鎮座する米軍普天間飛行場=11日午後2時25分、宜野湾市(又吉康秀撮影)

 毎年12月13日には学校で落下事故を振り返る集会が開かれる。3年時は体調不良で参加できず、4年時は登校したものの、保健室に行って集会に参加しなかった。感想文には「おもいだしたくなかったからです」とつづっている。

 5年生の時は新型コロナウイルスの感染対策で全体集会はなく、6年生になった今年は参加するつもりだ。「(自身にとって)最後の集会なので、参加して自分で行動できるように考えたい」と語った。その「行動」とは、ヘリが飛んできたら注意して音を聞いて目で見て危険を感じたら逃げることだという。

 本来は米軍機が学校上空を避けることになっているが、米軍の飛行は変わらないという事実が子どもたちの意識にまで刻まれている。

(明真南斗)

 

>>「頭痛い」子どもが抱えた心の傷…窓が目の前に降る理不尽 に続く


 

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