今季パ・リーグ2位の13勝をマークしたオリックスの宮城大弥が、事前の予想通り新人王に輝いた。高卒2年目のシーズンで先発ローテを勝ち取ると、チームの期待に応える活躍を見せた。防御率2・51の安定感で25年ぶりのリーグ優勝に貢献した。
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宮城は「ここまでの成績を残すとイメージできてなかった。何だかんだで一年間頑張れた結果と思う」と振り返った。
中学3年で15歳以下ワールドカップ(W杯)の日本代表に選出され、決勝では強敵キューバ相手に3回無失点と好投した。興南高に進学後は1年から2年連続で甲子園のマウンドに立ち、3年時には2度目のW杯代表を経験した。
プロ入り1年目は2軍で6勝し、途中で1軍に合流。シーズン終盤の11月にプロ初白星を手にした。2年目は先発ローテ入りをつかみ、西武との開幕2戦目で今季初勝利。8月13日のロッテ戦では両リーグ最速の10勝目を挙げた。力のある速球と鋭い変化球を同じ腕の振りから投げ、打者を手玉に取った。
興南高の恩師、我喜屋優監督は「持って生まれたものもあるが、非常に野球が好き。嫌なことを顔に出さない。チームからも愛される」と人間としての魅力や才能を評価する。プロに入りスローカーブの使い方などが成長したと感じている。「新人王が現実になったのは、ちょっとびっくりしている。ベテラン顔負けに活躍してくれた」と努力をたたえた。
受賞後の会見で宮城は「また一からスタート。チーム内でも競争が始まる。負けたくない。成長して戦っていきたい」と意欲を示した。沖縄の球児に向けて「野球を楽しんでくれたらそれだけで十分。まずは楽しむことを一生懸命頑張ってくれたらと思う」と言葉を贈った。
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