沖縄初のオミクロン株感染、米軍ハンセン勤務の男性 基地内感染か、濃厚接触者10人


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会見する玉城デニー知事=17日、県庁

 玉城デニー知事は17日夕の臨時会見で、米軍キャンプ・ハンセンに勤務するうるま市の50代男性が新型コロナウイルスの「オミクロン株」に感染したと発表した。県内での確認は初めて。男性に渡航歴がないことなどから、県は基地内で感染した可能性が高いとみている。一方、ハンセンでは同日までに、12月初旬に米国から来沖した米海兵隊員99人のクラスター(感染者集団)が確認された。米軍は変異株の種類を明らかにしていない。県は、米側に早期のゲノム解析などを求めている。

 県担当者は「基地内で(オミクロン株の)市中感染的な広がりがある可能性はある」との見方を示した。

 50代男性は12日に症状があり、13日にPCR検査を受診して14日に陽性と診断された。15日に県衛生環境研究所に検体が送られ、17日にオミクロン株感染が確認された。現在、基地の外にある病院の個室に入院中。濃厚接触者が10人おり、調査を進めている。

 また、キャンプ・ハンセンの関係者と接触があった50代女性、女性と接触歴がある60代男性に陽性反応が出ており、オミクロン株感染の可能性があるとみて検査を進めている。18日に結果が出る。

 米海兵隊はハンセンで隊員99人の感染が確認されたことを受け、健康保護体制を17日から引き上げたことなどを県に伝えた。一方で感染した米兵の変異株の検査を行うかは明らかにしていない。

 オミクロン株の封じ込めを目的に、県は18、19の両日、沖縄市の県総合運動公園に設置した接触者PCR検査センターで、ハンセン従業員らを対象に無料PCR検査を行う。中北部地域の医療フェーズを2へ引き上げた。

 県は同日、北部保健所管内に住む10代の小学生が新たに新型コロナに感染したと発表した。宜野湾市の事業所のクラスター関連では、職員2人と利用者2人の計4人が新たに感染し、合計16人となった。

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