オミクロン株「基地内で市中感染的な可能性」 沖縄県、集団感染との関連調査


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 米軍キャンプ・ハンセンで働く沖縄県うるま市の50代男性が、新型コロナウイルスのオミクロン株に感染していることが判明した。感染経路について、玉城デニー知事や糸数公医療技監は17日の記者会見で、基地内での感染が疑われるとの見方を示した。糸数技監は「基地内で市中感染的な広がりがある可能性はある」と述べた。

 キャンプ・ハンセンでは米本国から移動してきた海兵隊員100人規模のクラスターが発生。米軍は県側のゲノム解析の要請には応じておらず、オミクロン株への感染かどうかは把握できていない。県は感染した基地従業員と米軍関係者のクラスターの疫学的な関係について調査中だという。

 米軍から県への説明では、移動してきた隊員らは一定期間、行動制限(ROM)下に置かれる。ただ、感染した基地従業員はこの隔離施設が職場ではないという。

 糸数技監は、県内でオミクロン株の感染兆候はなかったため、基地従業員の感染経路は、県内ではないとの見方を示した。その上で、隔離されている隊員らとそれほど接触していない基地従業員が、経路が追えない形で感染した状況から、基地内で市中感染が起きている可能性があるとした。

 (中村万里子)

 


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