【金武】米軍キャンプ・ハンセン内で100人規模の新型コロナウイルスの感染が確認され、17日の金武町内では警戒感が強まった。隣接する繁華街「新開地」では基地内からの感染拡大を懸念する声が上がる中、マスクなしで出歩く米兵の姿もあり、米軍の感染対策に対する疑問の声も聞かれた。
新開地ではマスクを着用せずに複数人で歩いたり、飲食店内で会話したりする米兵もいた。同僚ら4人で歩いていた兵士らは「外出を禁止されているわけではない。私たちが隔離されていたらここには来られない」と肩をすくめた。クラスターについても特に説明を受けていないという。
近くに住む新里常雄さん(70)は「米兵は日本の検疫を受けずに自由に基地に入ってくる。こんなことになると思っていた」と声を落とし「マスクをせずにコンビニに来る。米軍の感染予防対策はどうなっているのか」と語気を強めた。
昨年の感染拡大時のように外出禁止の措置が取られた場合、米兵相手の飲食店への打撃は必至。ある飲食店の従業員は「客はほとんどが米兵だ。今のところ外出禁止とは聞いていないので営業を続けていく」と不安そうに話した。
「ようやくコロナが落ち着き、町が米兵らでにぎわってきたとホッとしていたのに」。金武区で電器店を営む新垣宏行さん(53)はショックを隠しきれない様子。「ハンセンでは町民も多数働いている。基地の外への拡大が心配だ」と語った。
在沖海兵隊が「地域住民との接触は一切ない」と説明していることについて、屋嘉区に住む久高栄一さん(74)は「屋嘉には外国人住宅が多く、目と鼻の先に米軍人が住んでいる。接触がないはずがない」と憤った。 (松堂秀樹、岩切美穂)
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