折り紙の動物贈って11万匹、タクシードライバー與座さん、車の中で作ってます


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折り紙の動物のプレゼントを続けている與座仁志さん=浦添市

 【浦添】浦添市の安進タクシーの乗務員、與座仁志さん(74)は折り紙で作った動物を乗客にプレゼントしている。2007年ごろに始め、10年の本紙掲載時は折った枚数が2万枚ほどだったが、間もなく11万枚に達する。「以前乗ったというお客さんが増えた。タクシー会社や運転手の名前は忘れていても、折り紙で覚えていてくれる」と笑顔を見せる。

 折り紙のレパートリーはペンギンの親子、エンゼルフィッシュ、ステゴザウルス、インコなど動物30種類ほどで、乗客の降車時に「これどうぞ」と差し出す。子連れの場合は奪い合いのけんかにならないよう、複数プレゼントすることもある。

 折るのは決まって乗務中の信号待ちなどの時間だ。自宅で折るのは新作を考案するときだけで、じっくり頭の中でイメージを固め、まとまった段階で初めて折り紙に手を付ける。最新作のマンタは約3カ月かけて折り方を考え、1日で折って完成に至った。

 プレゼントを続けて14年ほどになるが、以前乗せた客との再会は珍しくない。「面白いもので、1回乗せたお客さんって2度3度と乗ってくるんですよ」。今年2月には、8年ぶりに乗ったという女性が、お守り代わりにしていると折り紙を財布から取り出した。色落ちしていたため與座さんが新しいのを折ろうとすると「最期までこれを持っておきたい」と伝えられた。

 與座さんは夜勤が主で、那覇市の新都心や久茂地周辺を走っている。「80歳までは続けて、あと2万~3万枚は折りたい」と話す。指名は受け付けていないが、今後どこかで“折り紙タクシー”を拾う日があるかもしれない。

 (當山幸都)


 

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