沖縄でオミクロン市中感染を初確認 新たに2人 米軍基地から拡大か


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 沖縄県は28日、新型コロナウイルスの「オミクロン株」の感染者を新たに2人確認したと発表した。うち1人はオミクロン株感染が相次ぐ米軍基地関係者との接触歴がなく、感染経路が不明な「市中感染」に当たるとの認識を示した。市中感染事例の確認は県内初。もう1人は嘉手納基地で働く従業員で、同基地関係者のオミクロン株感染は初めて。県は基地を基点とした感染が広がった結果、感染者同士のつながりが追えない「市中感染に至ったと考えている」と述べ、今後の動向に警戒感を示した。

▼【ひと目で分かる】沖縄のコロナ感染状況

 県内でオミクロン株の感染が確認されたのは合計12人となった。デルタ株ではないことが判明し、オミクロン株の可能性がある人が9人おり、県は順次ゲノム解析を進める。オミクロン株の感染者は今後さらに増えるとみられる。

 厚生労働省に新型コロナ対策を助言する「アドバイザリーボード」の脇田隆字座長は同日、沖縄の感染状況に関し、オミクロン株の感染力の強さから「今後(従来株との)置き換えが進む可能性が高い」との認識を示した。本島北部の医療提供体制にも警戒感を示した。

 市中感染事例となったのは那覇市の60代男性。20日に発熱があり医療機関を受診したところ、22日にコロナ陽性と判明した。職場と家の往復がほとんどで、現段階で感染が疑われる場所に行った事例は確認されていない。嘉手納基地関連は豊見城市の40代女性。同じ職場にも新型コロナの陽性者が出ており、県はゲノム解析を進めている。

 米軍関係では28日、新たに13人の感染が報告された。キャンプ・ハンセンが7人、キャンプ・キンザーが4人、嘉手納、キャンプ・フォスター各1人。26日発表分について米軍からの修正があった。オミクロン株の感染拡大が懸念されているハンセンでは15日以降、277人が感染した。 (知念征尚)

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