新型コロナウイルスの変異株「オミクロン株」の市中感染事例が県内で確認された。県疫学統計・解析委員会が28日にまとめた報告によると、これまでに県内でオミクロン株と確定したり、確定者の濃厚接触者だったりした人を含む、オミクロン株感染の可能性が高い人は全県で28人。うち26日までの1週間では中部保健所管内に18人おり、同期間の中部の新型コロナ感染者31人の58%を占めた。オミクロン株の感染が、徐々に広がっている可能性もある。
同委員会によると、1人の感染者から何人に感染が広がったかを示す実効再生産数は沖縄本島・周辺離島で4・93(26日までの1週間)となり、大幅に増加した。
この1週間の、新型コロナ感染者130人の保健所別の内訳は、高齢者施設での集団感染が見られる北部で88人、中部31人、那覇市6人、南部5人、宮古、八重山はゼロだった。
米軍基地の同じ期間の新規感染者は142人いた。
オミクロン株の流行が懸念されているキャンプ・ハンセンは76人と、前週の186人より減った。一方、嘉手納基地は16人と前週の6人から大幅に増加するなど、他基地は増加傾向にある。同委員会は「在沖米軍全体にオミクロン株が広がっている可能性がある」と指摘した。
県は28日、新型コロナウイルスの新規感染者は10代から90歳以上の29人だったと発表した。前週火曜日の11人から大幅に増加している。
集団感染が続く本部町の高齢者施設では、新たに利用者3人が感染するなど、北部保健所管内で6人が感染した。沖縄市6人、宜野湾市、浦添市各4人、うるま市、中部保健所管内各3人、那覇市2人だった。
新規感染者29人のうち、感染経路が分かった人は12人にとどまる。
県の糸数公医療技監は、中部地域の感染拡大に「なかなか(感染経路が)はっきりしない広がりがある」と警戒感を示し、感染経路の絞り込みを急ぐ考えを示した。 (知念征尚)
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