黒島結菜「みんながハッピーになれるように」 朝ドラ「ちむどんどん」に込める沖縄への思い


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 真の気立ての良さを思わせる振る舞いに引き込まれる。見る者の心に安らぎを与え、そっと包み込む。糸満市出身の女優・黒島結菜が、今春始まるNHK連続テレビ小説「ちむどんどん」で沖縄に帰ってくる。

朝ドラ「ちむどんどん」のヒロインを演じる黒島結菜さん

【相関図つき】「ちむどんどん」登場人物紹介

 作品のメインとなる舞台は本島北部のやんばる。沖縄料理に夢を懸ける少女と強い絆で結ばれた4きょうだいの「家族」と「ふるさと」の物語を描く同作で、黒島はヒロイン・比嘉暢子を演じる。夢を実現するために東京へ渡る決意をする暢子の姿は、芸能活動のため17歳で上京した黒島自身とも重なる。

 故郷・沖縄は自身にとって「待っていてくれる人がいる場所」だ。「家族も友だちも、みんなやさしく待っていてくれるから、助けられている。まだまだ東京で頑張りたいから、帰ってきたときは甘えさせてくれる沖縄は、本当にありがたい」

 昨年末から沖縄ロケも始まった。東京では意識しなかった自然の音が、五感に飛び込んでくる。「せりふがなくただ立っているような場面でも、私が風を受け止め、音を聞いて、大きく息を吸うことで、『沖縄って気持ちのいい、本当にいいところなんだよ』と伝えたい」と、一つ一つのシーンに気持ちを込める。

黒島結菜さん=2021年11月23日、豊見城市

 「地元の方に喜んでもらえるときが、何よりも『この仕事をやっていて良かった』と思える。作品から元気をもらってほしいし、見ているみんなが本当にハッピーになれるドラマにしたい」

 沖縄について話すとき、思慮深い黒い瞳に温かな光が差し込んだ。

 春が待ち遠しい。

 文・藤村謙吾
 写真・喜瀨守昭


黒島結菜(くろしま・ゆいな) 1997年3月15日生まれ。糸満市出身。2013年に「ひまわり~沖縄は忘れない あの日の空を~」で映画初出演。19年にヒロインを演じた映画「カツベン!」(周防正行監督)で、第43回日本アカデミー賞新人俳優賞を受賞。ドラマ、映画、CM、舞台など多方面にわたり活躍している。


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