沖縄米軍のコロナ情報「不明」多く 基地別内訳、警戒態勢も分からず


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 在沖米軍関係者の新型コロナウイルス新規感染者は2021年12月30日以降、基地別の内訳が沖縄県に報告されていない。同日から1月2日までの感染者448人は「不明(確認中含む)」に分類されたままだ。基地内の警戒態勢を示す「健康保護体制レベル」も、キャンプ・ハンセン以外は県に情報提供がない。基地内の人口が不明のため、感染状況を比較する指標となる人口10万人当たりの新規感染者数も算出できない。基地内は感染急拡大中だが情報は「不明」が多い。

 基地関係者の新規感染は通常、米軍から基地別の内訳が県に報告されていた。これまでも土日は「不明」に分類され、詳細報告が翌日に遅れることはあったが、年末年始は4日連続で「不明」が続く。米軍から遅れている理由の説明もなく、県の糸数公医療技監は「大量の陽性者の報告があり、調査が追いついていないのではないか」と推測する。

 在沖米軍基地の軍人・軍属・家族の人数は10年ほど前から県への報告が途絶え、現在は不明だ。基地内の人口が分からないため、直近1週間の10万人当たりの新規感染者は算出できない状況だ。

 基地内の健康保護体制レベルは軍種、基地別で異なる。最初に感染が広がったキャンプ・ハンセンは5段階中3番目の「B(ブラボー)」に引き上げられたものの、その他の基地はどのレベルにあるか分かっていない。(稲福政俊)

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