「人が戻っていたのに」沖縄の観光地は閑散 時短協力金「逆転現象」に不満の声


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例年、新成人などで混雑するが、新型コロナの影響で閑散とした広場=9日、北谷町美浜(高辻浩之撮影)

 新型コロナウイルスの感染急拡大を受けた「まん延防止等重点措置」の適用初日を迎えた9日、沖縄県内の観光地や繁華街では人通りが減少した。観光関係の店で働く人々からは「緊急事態宣言が明けて人が戻っていたのにまた減った」と落胆する声がある一方、措置は「仕方ない」との声も聞かれた。

【ひと目で分かる】沖縄のコロナ感染状況

 

 同措置は31日まで。全県の飲食店に営業時間の短縮が要請され、酒類提供は停止や条件付きになった。混雑している場所や感染リスクが高い場所への外出自粛も要請された。

 普段は米軍関係者や行楽客の姿が多く見られる北谷町美浜のアメリカンビレッジ周辺では、大型駐車場の半分が空くなど人出が大きく減少した。飲食店の多くで空席が目立ち、人通りもまばらだった。はかま姿の新成人の男性は「外国人が多いし、友人はみんな『北谷は危ない』と言っている」と話す。海岸沿いに店舗が並ぶ通りでは、複数の外国人がマスクを顎に下げて談笑していたほか、歩きながら飲酒する新成人の姿も見られた。

 那覇市のあるバーは、営業時間短縮の要請に応じた飲食店に支給される協力金が、認証店より非認証店の方が高いため、8日に認証辞退を申し込んだ。20代の男性店長は「これまで感染防止に協力してきたのに理解できない。県や国から明確な説明もない」と不満を募らせる。客足のピークは午後10時以降のため売り上げが見込めず、週末は日中のカフェ営業に切り替えた。

 同市の国際通りは飲食店やお土産品店などが営業していたが、人通りはまばらだった。お土産品店副店長の勢理客誠さん(33)は「昨日から急激に人が減った。3連休なので営業時間を延長したが、全然人が来ない」と落胆した。まん延防止等重点措置については「仕方ない。逆に新規感染者数をみると緊急事態宣言レベルのような気がする。まん延防止でいいのか」と不安そうに話した。


 

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