【金武・北谷】在日米軍による基地からの外出制限が1月31日で解除され、基地周辺自治体では1日、マスク姿で外出を楽しむ米軍関係者と見られる人の姿が見られた。飲食店関係者などからは「まだ完全に安心できる状態ではないのに…」と不安の声も漏れてくる。一方、米軍関係者からは「われわれも気を付けている」と理解を求める声が上がった。
200人規模の新型コロナの感染が確認され、在日米軍の外出制限のきっかけになった金武町の米軍キャンプ・ハンセン。感染防止対策強化を日米合同委員会で確認したことを受けてか、金武町の新開地ではマスク姿の米兵が目立った。
金武町社交飲食業組合の大道智組合長は「制限の解除は不安があるが、外国人相手の店などは売り上げがほとんどなくなり大変な状況だ。せめて感染予防対策は徹底してほしい」と複雑な思いを口にした。迷彩服姿で巡回していた憲兵は「基本的にはバーやレストラン、タトゥーショップなどに入れるが、感染対策に気を付けることと、午後9時の門限を守るよう呼び掛けている」と言葉少なに語った。
北谷町美浜のアメリカンビレッジでは、米軍関係者の姿はまばらで閑散とする中、食事やショッピングを楽しむ人の姿もあった。アパレル店で働く女性は「感染者が日々確認されている中で、解除は早いのではと思うが、外出できなかったつらさや窮屈さは分かる」と話し、「マスクをするなど対策を徹底してほしい」と強調した。 テークアウトした料理をベンチで食べていた米兵のカップルは「コロナにかかりたくない気持ちは皆同じだ。われわれも気を付けていることを理解してほしい」と話した。 (松堂秀樹、新垣若菜)
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