「戦は誤り」沖縄戦を体験した94歳が訴えたこと  那覇の路上でロシアに抗議


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プラカードでウクライナ侵攻に抗議する儀間昭男さん=28日、那覇市の安里十字路

 安里・大道・松川島ぐるみの会は28日朝、那覇市の安里十字路で平和を求めるプラカードを掲げ、ロシアのウクライナ侵攻に抗議した。沖縄戦体験者らも参加し「必要なのは戦争ではなく、平和と友好だ」と訴えた。

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 沖縄戦で鉄血勤皇隊に召集され、32軍の野戦築城隊として壕を掘り続けたた儀間昭男さん(94)は「萬国の津梁」と書いたプラカードを掲げ、出勤途中の車に向かって反戦を訴えた。戦中は艦砲射撃の間隙(かんげき)を縫って、学徒用の留魂壕と32軍壕を行ったり来たりしていた。戦況が悪化すると32軍と共に南部に撤退。その間に多くの友人を失った。

 「自分の命を守るだけで精いっぱいだった。戦の前は『神国日本』が負けるはずがないと思っていたが、そんなことはないとすぐに気付いた」と振り返り、ウクライナへの侵攻に対しては「戦争を起こすこと自体が誤りだ」と、鋭い眼光で指摘した。

 抗議行動を提起したのは、会の世話人を務める真栄里泰山さん(77)。ウクライナ侵攻と台湾有事を重ねて沖縄の基地強化を求める声が出ているのを憂慮し「軍事基地こそ緊張を高める要因だ。今こそ、平和、友好をアピールする時だ」と訴えた。 (稲福政俊)


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