日本小児科学会は17日までに、新型コロナウイルスの変異株オミクロン株に感染した小児の症状を調査した結果、流行初期やデルタ株の流行期に比べて発熱やけいれん、咽頭痛、おう吐などの症状が増加しているとの分析を発表した。
調査は同学会のデータベースに登録された0~15歳の5129例を対象にした。
変異株の影響を分析するため、解析期間を「流行初期」(2020年2月~21年7月、2830例)、「デルタ株流行期」(同年8月~12月、1241例)、「オミクロン株流行期」(22年1月~2月20日、1058例)に分類した。
流行初期とオミクロン株流行期を比較すると発熱症状の増加が顕著で、41%から80・6%に倍増している。咽頭痛は8・6%から26・1%に、けいれんは0・6%から4・1%へとそれぞれ増えた。そのほか、けん怠感や頭痛も増えており、5~11歳ではおう吐の割合が増している
デルタ株流行期まで特徴的症状だった味覚や嗅覚の障害はオミクロン株ではほとんど認められなかった。変異株の流行による小児患者の重症化傾向は確認されなかったとしている。
(嘉陽拓也)
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