【名護】22日午後5時前ごろ、米軍ヘリとみられる2機が沖縄県名護市の市街地前に広がる名護湾でつり下げやホバリングを繰り返す様子が確認された。名護湾は日米地位協定に基づき米国が使用を許可されている提供区域ではなく、市にも訓練実施の通告はなかった。
訓練していた機体は形状からHH60救難ヘリとみられる。2機は約1時間にわたって低空飛行で名護湾の海上を旋回したり、海面から10メートルほど上空でホバリングしたりしていた。1機は海面すれすれまで近づいて水しぶきを上げた後、若干高度を上げて人のようなものを海面からロープで引き上げていた。散歩中の女性は「名護湾でこんな訓練は初めて見た。事故でもあったのかと思った」と不安そうに話した。
名護市の担当者は「訓練の通告などはないので、(関係機関に)確認したい」と述べた。本紙は22日午後5時過ぎに沖縄防衛局に米軍の訓練かどうか問い合わせたが、防衛局は「本日中の回答は難しい」とした。
日米地位協定は米軍機などの基地間の自由な移動を認めているが、訓練の実施は提供区域に限定されている。
(松堂秀樹)
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