「沖縄の人々は先住民族」国連勧告の撤回陳情を否決 西原町議会


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「沖縄の人々を先住民族とする国連勧告の撤回を求める決議を求める陳情」の否決を求め抗議の声を上げる球先住民族まぶいぐみぬ会のメンバーら=24日、西原町役場前

 【西原】西原町議会(大城好弘議長)は24日の3月定例会最終本会議で「沖縄の人々を先住民族とする国連勧告の撤回を求める決議を求める陳情」を反対多数(反対9、賛成8、退席1)で不採択にした。これに伴い議員提案で提出されていた国連勧告の撤回を求める意見書は取り下げられた。

 傍聴席には採択しないよう求める琉球先住民族まぶいぐみぬ会のメンバーらが駆け付け、審議を見守った。同会共同代表の与那嶺貞子さんは不採択について「ほっとしている。議場でのやりとりを聞くと、議員自身が国連勧告の内容をきちんと把握していないと感じた。まずは勧告の内容について議論を深めてほしい」と語った。会のメンバーらは本会議の前に町役場前で陳情を採択しないよう求める集会を開いた。

 議場では、議員4人が陳情に反対の立場で討論したが、賛成討論する議員はいなかった。勧告撤回を求める意見書はこれまでに豊見城市、石垣市、宜野湾市、本部町の議会で可決されている。
 (吉田健一)


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