きょうは「琉球料理の日」庶民の知恵と工夫、おいしさの秘けつ「ティーアンダ」とは?毎月第3木曜


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庶民料理の代表格であるゴーヤーチャンプルー

 琉球料理にまつわる歴史や食文化を伝えたいと琉球料理保存協会理事長の安次富順子さんが執筆し、毎月第3木曜日の「琉球料理の日」に掲載した企画「琉球料理は沖縄の宝」が3月17日に終了した。今月は番外編として安次富さんに約1年間の連載を振り返ってもらった。(聞き手・高江洲洋子)

 >>連載はこちら>><琉球料理は沖縄の宝 安次富順子>1 守りたい独自の食文化

 ―連載を通して伝えたかったことを聞かせてほしい。

 「今、琉球料理が廃れつつあり危機感を抱いている。継承にはそれなりの努力が必要だと思う。琉球料理保存協会は毎月第3木曜日を『琉球料理の日』としており、連載を通して琉球王国の歴史を踏まえつつ、琉球料理の魅力と食文化を伝えたかった」

 「琉球料理は琉球王国時代からの長い伝統がある。琉球王朝の中で中国料理と日本料理が共存し溶け合い、中国料理でもなく、日本料理でもない独自の琉球料理を発達させてきた。一方、長寿を支える庶民料理も含まれる。庶民の知恵と工夫に医食同源の思想が加わっている」

 ―琉球料理の特徴は。

 「豚だしやかつおだしを巧みに使った『旨味(うまみ)』と食材の素材を生かしたところに特徴がある。また、『ティーアンダ』という言葉があり、直訳すると「手の脂」ということ。手間を惜しまないという意味もあり、心を込めて作る料理は、手から脂が出るかの如く、味わい深い料理に仕上がる」

琉球新報での連載を終え、取材に応じる琉球料理保存協会理事長の安次富順子さん=3月24日、那覇市泉崎の琉球新報社(又吉康秀撮影)

 ―継承への課題は何か。

 「戦後、いろいろな料理が入ってきて定着している。一方、琉球料理は家庭で食される機会が少なく、外食や給食などで食べているケースが多いように思うが、琉球料理という意識を持って食べることが継承につながると思う。また、琉球料理はみじかな食材で簡単に作ることのできるものも多く、家庭の食卓にどんどん取り入れてほしいと思う」

 ―今後、どう普及に努めていくか。

 「琉球料理の作り方は県の作成した『琉球料理伝承人』の教本か、県文化振興課のホームページ『沖縄の食文化 琉球料理』というサイトに動画と共にレシピが出ているので活用してほしい」

 ―NHKの連続テレビ小説「ちむどんどん」が始まっている。

 「沖縄料理や食材が注目されるいい機会になる。とても期待している。料理が根づいてほしいし、沖縄の料理や食材が全国に広まり経済効果につながるといい」

 ―保存協会の活動の展望を聞かせてほしい。

 「本年度から琉球料理を保存・普及、継承する人材を育成する県の『伝承人育成・活用事業』の委託を受ける話が進んでいる。そうなれば、琉球料理伝承人育成講座やフォローアップ講座、出前講座などの事業を担うことになる。また、『毎月第3木曜日は琉球料理の日』を定着させたい」

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