沖縄の遺骨返還請求退ける 京都地裁 昭和初期に京大研究者が持ち出し


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判決を前に裁判所に入る原告団、弁護団ら=21日、京都地裁前

 昭和初期に今帰仁村の百按司(むむじゃな)墓などから持ち出された遺骨を保管している京都大学に、松島泰勝龍谷大学教授らが遺骨の返還などを求めた琉球遺骨返還請求訴訟の判決が21日、京都地裁(増森珠美裁判長)であり、原告の訴えを退ける判決が言い渡された。

 原告側は人類学者らが1930年前後に遺骨を持ち出した際に「墓の関係者から同意や承諾など一切受けていない」として、京都大には遺骨を保管する権限がないと主張。民法や憲法、国際人権法を根拠に遺骨を返還するよう求めていた。原告は松島氏のほか、第一尚氏の子孫ら。

 京都大学側は原告の主張に対し「(遺骨返還の)請求権を基礎付けるものではない」として、訴えを棄却するよう求めていた。

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