【東京】防衛省が全国各地の自衛隊施設約60施設で消火用水槽を調べたところ、8割弱の施設で有機フッ素化合物(PFAS)が国の暫定指針値(PFOS・PFOA計1リットル当たり50ナノグラム)を超える値で検出されたことが31日、関係者への取材で分かった。
県内では航空自衛隊那覇基地(那覇市)のほか、海上自衛隊の那覇航空基地(同)や空自の知念分屯基地(南城市)で国の暫定指針値を超え、海自那覇基地では最大約7万倍のPFASが検出された。
2021年2月に空自那覇基地から泡消火剤が飛散した問題を巡り、本紙の報道でPFOSの含有が判明したことを受けて空自が那覇基地を調べたところ、消火薬剤を混ぜる前の水槽からもPFASが検出され、防衛省は調査対象を全国に広げていた。
調査したのは、泡消火薬剤と混ぜる前の真水をためているはずだった消火用水槽。防衛省は過去にPFOSを含む泡消火薬剤を使っていた可能性がある施設で229槽から水を採取して分析した。指針値を超えた水槽の水を処分する方向で検討している。
関係者によると、空自那覇基地では全17槽で国指針を超え、最大で約3万倍だった。知念分屯基地には水槽が一つあり、国指針値を超えた。海自那覇基地では4槽のうち一つでPFOSとPFOAの合計が国指針の約7万倍に上った。うるま市の海自沖縄基地も調査対象だったがPFAS濃度は国指針を下回った。
(明真南斗)
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