強い毒を持つ特定外来生物のヘビ「タイワンハブ」の捕獲数が10年間で4倍近くになり、2019年から在来のハブより多くなっている。捕獲地域は本部半島とその周辺に集中。11~20年の咬症(こうしょう)はハブと比べて10分の1以下で、死者は出ていないが、住民からは生息域の拡大による咬症の増加や生態系への影響を懸念する声が上がっている。
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沖縄県衛生薬務課がまとめているタイワンハブ、ハブ、サキシマハブ、ヒメハブの強毒ヘビ4種の捕獲数によるとタイワンハブは11年に841匹だったが、20年には3317匹となった。4種の捕獲数の割合も11年の27・0%から20年には53・8%と倍増し、捕獲数の半数超となった。ハブは11年2172匹、69・7%から20年2638匹、42・8%と、捕獲数はほとんど変わらないものの割合を大きく下げ、タイワンハブの増加が際立つ。
20年のタイワンハブ捕獲数を市町村別でみると本部(1339匹)、名護(1134匹)、今帰仁(391匹)、恩納(378匹)、読谷(74匹)、宜野座(1匹)。恩納村以外はいずれも10年間で増加傾向だ。20年のハブ捕獲数が本部では3匹、名護でも10匹と少なく、タイワンハブが他3種を圧倒している。
県衛生環境研究所でハブ対策を研究している衛生科学班は、タイワンハブの本部半島集中について「原因は分かっていない」と説明。捕獲数増について「目撃情報を基に市町村が捕獲器を集中して仕掛けている結果ではないか」と分析した。
(長嶺晃太朗、安里周悟)
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