沖縄のコロナ給付金、不正受給の総額6600万円 未受給含め約1000件


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 新型コロナウイルス感染拡大の影響で減収した個人事業者などを支援する国の持続化給付金を巡る不正受給問題で、これまでに沖縄県警による逮捕者は23人、関連する摘発は計66件となり、不正受給総額は約6600万円に上ることが6日までに、県警への取材で分かった。関係者によると、県警が取り扱い中の不正受給事案は、振り込みが確認されていない未受給事案を含め約千件に達する。

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 摘発額は今後も増加するとみられ、給付要件を満たさずに受給した後、返還された給付金総額は少なくとも1億円に上るという。新型コロナ対策の持続化給付金は2020年5月に申請の受け付けを開始。21年2月に受け付けを終了した。

 経産省などによると、全国の個人事業者や中小企業に給付された持続化給付金の総額は約5・5兆円。このうち県内では1・5%に当たる750億円程度が給付された。

 給付要件を満たさずに申請手続きを行い、受給するケースが全国で相次いだこともあり、経産省は不正の可能性のある受給者を対象に自主返還を求めた。全国の持続化給付金の返還済み金額は約166億円(6月2日時点)に上る。

 関係者によると、県内で不正受給の疑いがある申請は千件程度あり、県警は申請者に話を聞くなどして不正の有無を調べている。

 県内では申請の際に職業を偽り、個人事業者を装うなどしたケースが多く確認された。1件の不正受給に、仲介料などを名目にして複数人が関与している事案があることなどから、個別事案の実態把握に時間を要するという。

 県警は20年9月に特別捜査本部を設置。これまでに詐欺容疑で税理士や暴力団関係者ら男女23人を逮捕している。県警特捜本部は今年4月、捜査態勢の拡充を図り、不正受給問題の全容解明を急いでいる。

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