【宜野湾】目を引く“黄金色”の車体に「沖5」ナンバーと左ハンドル。時代を感じさせる「コロナマークII」に今でも大事に乗り続けるのは、宜野湾市に住む瀬名波起廣(きこう)さん(86)だ。沖縄が日本に復帰した1972年に79万円で購入。今年、愛車と半世紀を迎えた。
購入したのは37歳の時。コロナマークIIが世に出始めたばかりだった。特に車好きというわけではなかったが、愛着が湧き、以来半世紀も乗り続けているという。瀬名波さんは「たまたまこうなってしまった」と苦笑いする。
一番の思い出は、妻・恵子さん(享年81歳)を助手席に乗せてドライブした日々だ。休日にはよく北部のリゾートホテルに宿泊したという。帰りにふらっと立ち寄った今帰仁村の「クラシックカーフェスティバル」では、ワンオーナー賞を獲得した。恵子さんの病院への送迎も、コロナマークIIを使った。
今でも近所のスーパーや、2カ月に1回の通院で運転する。信号待ちの時には「すごい車ですね」と声を掛けられることも多いという。
8月には運転免許証の更新を迎えるため、運転技能検査の合格へ意気込む。
車体は古さを感じさせるが、エンジンはまだまだ丈夫。「どっちが長生きできるか勝負だな」と笑顔で愛車を見つめた。
(石井恵理菜)
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