【東京】防衛省と三菱重工業が新護衛艦の命名・進水式を「慰霊の日」の23日に開催することについて、岸信夫防衛相は17日の記者会見で「納期を考慮すると、工程上(6月)20~30日に進水させる必要があった」とした上で、「式は大安の日が慣例だ」と大安の23日に設定した理由を説明した。だが、琉球新報が過去3年にさかのぼって海上自衛隊の命名式・進水式の日取りを調べたところ、開催は「友引」の日の方が多く、必ずしも大安が慣例になっているわけではなかった。
大安は、日にちの吉凶を表す言い伝え「六曜」のうち、最も縁起がいいとされる。岸氏は会見で、新護衛艦の納期との都合で、23日の開催が決まったと説明。琉球新報記者が「条件に合致するのがその日しかなかったということか」と尋ねると、「はい」と明言した。
だが、防衛省によると命名・進水式の「大安」開催について、明文化された規定があるわけではない。過去3年に行われた10件のうち大安は4件だけだった。直近は大安が続いているが、3年間では、朝夕は吉で正午は凶などとされる「友引」が5件と最も多い。午前は吉で午後は凶とされる「先勝」の例もある。
岸氏が工程上の必要性として言及した6月20~30日にも友引と先勝は2回ずつあった。
今回の命名式と進水式は長崎県で開催される。三菱重工は開催日の設定について「防衛省に従っているだけなので、防衛省に聞いてほしい」と取材に回答した。(明真南斗)
【関連記事】
▼自衛官の黎明之塔「参拝」で陸幕が文書 慰霊の日 「私的」の主張揺らぐ