沖縄中北部住民「汚染ゼロに」 米PFAS基準厳格化で政府に対応要求


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 【中部・北部】米PFAS勧告値の引き下げについて「有機フッ素化合物(PFAS)から市民の生命を守る連絡会」共同代表の伊波義安さんは「厳しい基準値になったのは大歓迎だが、PFASは本来ゼロでなければならない」と強調する。

【ニュースの言葉】有害物質PFOSとは

 「(米国で)基準値が設定された6年前と比べて約3千分の1となった科学的根拠はどこにあるのか。それまでの汚染の問題はどうするのか」と疑問も。「基準値を引き下げるならば、それを守るために強制力がある取り決めが必要だ」と日米両政府の対応を求めた。

 水道水からPFASが検出されている北谷町で、町に健康被害調査を要請してきた仲宗根由美さん(36)は「米国より厳しい基準値を盾に、日本政府は安全性を主張していた。それが完全に崩れた」と指摘。「自然界にない物質が飲み水に含まれているという、公害に等しい状態だ。すぐに改善に向けて取り組んでほしい」と訴えた。

 同じく水道水からPFASが検出された金武町に住む吉田真和さん(41)は「住民の生活を守る行政はどうするのか。町は県や国に対して相応の対処を求めていく必要があるのではないか」と述べた。(新垣若菜、増田健太)


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