沖縄は23日、沖縄戦の戦没者を悼み、平和を願う「慰霊の日」を迎えた。住民を巻き込んだ悲惨な地上戦で、組織的戦闘が終結した日から77年がたった。世界に目を向けると、ロシア軍によるウクライナ侵攻が続いている。県民は沖縄戦で亡くなった人々へ鎮魂の祈りをささげると同時に、戦争が続く地の人々に思いをはせ、世界平和の実現を切望した。
戦後間もない頃、散乱する遺骨を地域住民が集めて納めた「魂魄の塔」(糸満市米須)には、早朝から遺族らが訪れている。沖縄戦で祖母とおばが南部で亡くなったという77歳の男性は「継承が難しくなっている。実際に訪れる機会をつくることが一番平和をつくっていく。大事なことだ」と話し、孫2人と共に参拝した。
沖縄県主催の沖縄全戦没者追悼式は午前11時50分から糸満市摩文仁の平和祈念公園で執り行われる。新型コロナウイルスの影響で規模は縮小するが、首相は3年ぶりに参列する予定だ。
正午にはテレビやラジオの時報に合わせ、全県民がそれぞれの場所で1分間の黙とうをささげる。
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