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沖縄県内の新型コロナウイルスの感染者は12日、初めて3千人台となった。夏の観光やイベントシーズンで、かつてない規模の流行が想定される。県が警報を出した本島と八重山圏域では医療が逼迫(ひっぱく)する。一方、那覇市の繁華街では客でにぎわう様子が見られた。県民は感染拡大と社会生活のはざまに置かれ、国や県に感染対策の呼び掛け強化を求める声も上がった。
午後9時過ぎ、那覇市牧志の飲食店では観光客や若者らがマスクを外してにぎわう姿が見られた。国際通りの土産品店に勤める女性(48)は感染者が増加する状況に「怖い。(感染防止のため)仕事も本当は出たくないが働かないと家賃が払えない」と明かす。
買い物に向かう途中の那覇市の27歳の男性は「行動制限をしていないので、感染者が増えるのは特に驚かない」と冷静に受け止める。「感染の抑制はマスク着用など個々人の取り組みにかかっている。国や県はもっと感染対策を呼び掛けてほしい」と求めた。
大阪からダイビングに来た58歳の男性は「全然気にしていない。国際通りの人出は大阪の道頓堀の10分の1くらい」と話す。東京から観光で来た男性(38)と女性(32)は「東京の方が沖縄より多いから気にならない。社会はウィズコロナの段階に入った」と語る。
那覇市の70代のタクシー運転手は5月に感染し、1週間ほど仕事を休んだ。梅雨時にマスクを付けていない若者を乗せたため「その時に感染したのではないか」と推測する。「最近、マスク無しで乗車する人が増加している。せきやくしゃみをする人もいる。乗車拒否もできない」と吐露する。
那覇市で居酒屋を営む30代男性は、感染者数が3千人を超えたことに「しょうがない」と驚きはない様子。行動制限は回避してほしいと考えており「飲食だけを目の敵にしないで、特効薬の開発など医療面に力を入れてほしい」と求めた。
那覇市久茂地にある居酒屋につとめる47歳の男性は「4月から苦しい状況だ」と説明する。40~50代の地元客が多く、感染者数増加に伴い来店を自粛する客も多い。「観光客にも来ていただかないと困る。人出を止めることは飲食を止めることだ」と強調した。
(狩俣悠喜、金盛文香)
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