沖縄県宮古島市伊良部の長山港で19日、停泊していた宮古島海上保安部の巡視船しもじに搭載された20ミリ機関砲8発が誤射された件で、けが人や建物などの被害は確認されなかったものの、付近の施設の関係者からは驚きの声が上がった。長山港付近には、伊良部大橋に続く交通量の多い道路やガス施設などがあり、ホテルやカフェも点在する。
長山港からほど近い場所にあるガス会社の施設で、家庭用ガスの充填(じゅうてん)作業をしていた男性(40)は発砲音を聞いた。音が聞こえた方向を見ると煙が上がっており、近くの建物の影に身を隠したという。男性は「誤射だったらまた発砲があると思って隠れた。ガスを取り扱っているのでそこが一番心配だった。危ないので気をつけてほしい」と話した。
男性と同じガス会社に務める女性(54)は男性から現場の報告を受け「もし(ガス施設に)当たっていたら命はなかった。何事もなくて良かった」と安堵(あんど)した様子だった。
近隣のホテル関係者の50代男性は「音も聞こえず、それらしき物も見えなかった。聞いてびっくりした。誤発射があった時間帯はお客さまもいた。何かあったら大変だ。しっかりしてもらいたい」と訴えた。
長山港付近でカフェを営む30代男性も「音が聞こえたりということはなかった」と誤発射に気がつかなかった様子。「怖い。事故はないようにしてもらいたい」と願った。
(中村優希、金盛文香)
【関連記事】
▼「当たっていたら大惨事…」宮古島海保、巡視船が実弾誤射8発 燃料施設の方向に