沖縄県は20日、新型コロナウイルスに関する対策を産業界と話し合う経済対策関係団体会議をオンラインで開き、今後の感染状況次第で社会経済活動の制限を実施する新たな対処方針案について意見交換した。出席した委員らは、医療現場が逼迫(ひっぱく)している状況に理解を示したものの、飲食店での時間や人数制限、大規模イベントの主催者に感染防止安全計画の提出を求めることなどを盛り込んだ対処方針案の実効性を疑問視した。その上で、より効率的な対策をとりつつ、社会経済活動の制限は回避するよう求めた。
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沖縄観光コンベンションビューローの下地芳郎会長は、約40の関係団体に意見を聞き取りしたところ「多くが感染源に関する詳細な情報や適切な対策、対策の根拠が県民に届いていないと感じている」と指摘。県により明瞭な説明を求めた。
19日の専門家会議で、医療専門家から飲食店の人数やアルコール提供の制限を求める声が相次いだことについて、県飲食業生活衛生同業組合の鈴木洋一理事長は「飲食業者は2年半もの間、協力してきたのに、医療界がどれだけ対策してきたかは見えてこない」と言及。必ずしも飲食店が感染源にはなってないとして、対処方針案を慎重に精査するよう訴えた。
その他、空港でのPCR検査を予約制ではなく断続的に受け入れることや観光事業者への支援、3~4回目のワクチン接種の促進などに関する要望があった。
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