発射されない状態と誤解 宮古島海保船の実弾誤射 船長は「空撃ち」を指示


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宮古島海上保安部所属「巡視船しもじ」に備えられた機関銃の誤射を謝罪する福本拓也部長(写真左)=20日、宮古島市平良

 宮古島市の伊良部島で、港に停泊中の宮古島海上保安部所属「巡視船しもじ」が20ミリ機関砲8発を誤射した問題で、船長は実弾が「発射されない状態」と思い込み、誤解した状態で「空撃ち」の指示を出していたと同海保は20日、会見で明らかにした。福本拓也部長は「船長が(機関砲の状況を)把握していなかったのは、ひとつの原因になると思われる」と険しい表情で述べた。

 同市の平良港湾合同庁舎で20日、開かれた記者会見で冒頭、福本部長が頭を下げ陳謝すると、報道陣のシャッターが一斉に切られた。

 同海保によると、10日に実施した点検作業後、船長の判断で急きょ機関砲の取り扱い訓練を行った。機関砲は実弾が発射可能な状態にあったが、船長にその認識はなかった。給弾作業を実施した乗組員と船長の間の認識の違いが最大の要因だとみている。訓練中、操だ室から発射の指示を出した船長は、給弾作業をした乗組員らと連絡を取り合っていたが、福本部長は「意思疎通がうまくできていなかった」と説明する。

 機関銃の照準は陸地の県道252号に隣接する草やぶに向けられていた。訓練に先駆け、通行人や走行する車がいないかなどの安全確認を行い「空撃ち」の指示を出していたという。福本部長は「現場で安全確認を行ったが、陸地側に砲を向けることがどうなのか、議論しないといけない。詳細な検証が必要だ」と述べた。

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