通知表が間に合わない、自宅から遠隔授業 教員のコロナ感染で学校混乱


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 「通知表の作成が間に合わない」「自宅からリモート授業をした」。新型コロナウイルス急拡大の影響が、再び教員たちを疲弊させている。7月13日時点での公立小中高・特別支援学校の学級閉鎖数は少なくとも115件に上り、感染・濃厚接触者は教員にも多数いる。学校で作業ができず苦悩する教員や、作業を代行せざるを得ず、過重な業務をこなす教員もいる。

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 「教頭に授業を代われる人がいないと言われ、自分でやるしかないと思った」。中部の小学校勤務の男性は現在、感染して自宅療養をしている。症状は軽い。先日、自宅からリモート授業をした。「子どものためにと思った。感染して申し訳ないという気持ちが強かった」。授業の遅れは解消できたが、他の教員も同様の対応を求められる可能性のあることに気付き悔いた。

 別の小学校に勤務する中部の40代女性教諭は、他学年でのリモート授業実施について「気持ちはよく分かるが、保護者から同様の対応を求められてしまう」と悩ましそうに話した。女性は自宅療養中の教員の通知表作成業務を代行したため休日も仕事に追われた。「社会がまともに機能していないのに、学校はこれまで通りの運営を求められている気がする。GIGAスクール構想下で整備された端末も、活用には準備がある。教員もコロナの影響を受けていることを、保護者にもう少し理解してもらいたい」と吐露した。

 南部の小学校に勤務する30代女性は「教員は子どものためにと無理をする人が多い。管理職が事態を把握し、無理をさせないよう主導してほしい」と求めた。 (嘉数陽)


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