沖縄のコロナ対処方針に飲食業界は?「酒類が狙い撃ち」と疑問視「しょうがない」一定理解も


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 玉城デニー知事は22日、全ての飲食店での会食で「4人以下、2時間以内」とし、アルコール提供を伴うイベントについても開催延期検討などを求める対処方針を発表した。飲食店や酒類を扱う業界の関係者らは方針に一定の理解を示しつつも、感染対策に際し「酒類が狙い撃ちされている」と県の対応を疑問視する声も出た。

 県飲食業生活衛生同業組合の鈴木洋一理事長は認証店を含む全ての飲食店での会食が「4人以下、2時間以内」とされたことについて「今の状況をみると、譲歩せざるを得ない」との考えを示した。その上で「飲食店には観光客や県民の模合をはじめ、5人以上の予約も多くある。経営者の中には対処方針で需要が落ち込むことへの不安はある」と付け加えた。

 「今回の感染は10代以下が多い。酒類が原因ではないはずなのに、制限される方向に行っている」。県酒造組合の佐久本学会長はこう指摘し、県の方針に首をひねる。「仕事柄飲酒の機会は多く、先日もイベントを開いたが飲酒時以外のマスク着用や消毒を徹底したため、感染者は出ていない。防止策を徹底した上で経済活動を続けられる環境を、国や県で構築すべきだ」と主張した。

 県卸売酒販組合の喜屋武善範会長は「もちろん商売への影響は気になるが、医療崩壊の懸念がある中では多少の制限はしょうがないのではないか」との見解を示す。「コロナ前に比べれば売り上げは3、4割程度しか回復していないが、感染の沈静化を待ってみんなであらためて泡盛で乾杯すればいいのではないだろうか」と持論を述べた。(小波津智也まとめ)

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