新型コロナウイルスの感染拡大が止まらず、県は新たな対処方針を発表し、医療非常事態を宣言した。長期に及ぶコロナ対策で経済は疲弊し、医療も崩壊寸前。危機的な状況に県民の不安は膨らんでいる。
宜野湾市の太陽の子学童クラブでは濃厚接触者などで現在10人以上が休んでいる。小学校が夏休みに入り、学童利用が増える見込みだ。渡久山順子代表は「家庭保育をお願いしたいが、難しい家庭があることも理解している」とジレンマを吐露した。
人口10万人当たり(直近1週間)の新規感染者が3480.49人と、県全体の約2倍、全国平均の約6倍の石垣市。雑貨店の店員(37)は、観光で訪れた買い物客がマスクをせずに来店することもあると明かし「接客していて怖いと思う場面もある。感染者が増えているので、会食の時間や人数を制限するのは仕方がないと思う」と話した。
夏休みの小学生を連れて恩納村の海浜公園を訪れた放課後児童デイサービスの職員(19)=那覇市=は、県の医療非常事態宣言について「子どもたちがコロナになったら大変なので、手洗いやうがいをさせて対策をしっかりしたい」と気を引き締めた。
血圧の薬をもらうため通院が必要という那覇市の60代女性は、医療非常事態宣言を受けて「いつ何が起こるか分からない。緊急の時に見てもらえないのは困る」と不安な表情を見せた。
友人と大型商業施設にランチに来ていた本島南部の男子高校生(18)は「感染者数を聞いてもあまり驚かなくなった」と淡々と話す。多くの県民はコロナに対して「危機感より慣れ」の意識になっているとして「収束は難しいと思う」と語った。
(稲福政俊まとめ)
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