【動画あり】佐喜真氏が出馬表明 沖縄知事選「辺野古移設を容認」


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県知事選への出馬を表明する前宜野湾市長の佐喜真淳氏=5日午後、那覇市の沖縄ハーバービューホテル(又吉康秀撮影)

 8月25日告示、9月11日投開票の沖縄県知事選挙に向け、新人で前宜野湾市長の佐喜真淳氏(57)は5日、那覇市内のホテルで出馬会見を開いた。新型コロナウイルス感染急拡大や観光業の停滞、物価高など県民生活を取り巻く諸課題に触れ、「県政危機に他ならない」と県政転換を訴えた。名護市辺野古の新基地建設は、米軍普天間飛行場の危険性除去のため「移設を容認する」とし、移設の是非に言及しなかった前回知事選から踏み込んだ。

▼【一問一答】普天間飛行場早期返還には辺野古移設が現実的

 佐喜真氏は「県政を変えて県民のために全力を尽くし危機を突破する」と、経済立て直しを前面に掲げた。中国による台湾周辺の軍事演習といった安全保障環境の変化に触れ、「県政トップとしてしっかり対応する」と述べた。

 辺野古移設に反対する現県政に対し、佐喜真氏が移設「容認」の立場を明確にしたことで選挙戦の主要争点となる。佐喜真氏は「県は政府と対立し、結果として普天間の返還が遅れている。早期返還には今の計画が現実的だ」と述べ、「私の力で何としても終止符を打つ」と語った。

 関係者によると、政権与党の自民党や公明党は近く推薦を出す方向で最終調整を進めている。佐喜真氏は9日に政策を発表する。

 知事選は2期目を目指す現職の玉城デニー氏(62)、前衆院議員の下地幹郎氏(60)も出馬を表明している。  告示まで1カ月を切り、各陣営は事実上の選挙戦を加速させている。 (’22知事選取材班)

 佐喜真 淳氏(さきま・あつし) 1964年8月9日生まれ、宜野湾市出身。千葉商科大卒。宜野湾市議会議員、県議会議員を経て、2012年に宜野湾市長選で初当選した。16年市長選で再選。2期目途中の18年9月の知事選に出馬したが、落選した。

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