沖縄弁護士会(田島啓己会長)は16日、安倍晋三元首相の国葬について「法的根拠、財政民主主義、思想良心の自由の点で重大な法的問題がある」などとして反対する会長声明を出した。声明では、戦前は勅令の「国葬令」を根拠に行われてきたが、現行憲法の施行に伴って失効していると指摘。「国葬に関する事項を明確にした法律が制定されていない中、閣議決定のみに基づいて国葬を実施するのは、法的根拠の点で重大な問題がある」と批判した。
さらに、閣議決定で多額の費用の支出を決めたことや、国葬が事実上、国民への弔意の強制になりかねないことも問題視した。声明は同日、首相や総務相らに送付した。
また、同会に所属する三宅俊司弁護士は同日、最高裁長官に国葬に参加しないことなどを求める書面を出した。銃撃事件の容疑者が今後、刑事裁判を受けると予測されるとし、最高裁長官の参加は司法権の独立だけでなく、司法の中立性、公平性を侵害すると主張した。
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