沖縄、養護教諭が不足 9月時点で2校不在 検温やPCR検査などコロナ下で業務増え


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 公立学校で教員が不足している問題で、養護教諭の不足も深刻化している。沖縄県教育委員会によると、9月1日時点で小学校1校、中学校1校の計2校で養護教諭が不在だった。県教委はこの2校については「現在は臨時任用の教員が配置されている」と説明する。産休や育休に伴う代わりの養護教諭の配置が難しいことが背景にある。

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 県立高校、特別支援学校の養護教諭不在は9月1日時点でゼロだった。

 県教委は9月以降、他校で同じような欠員が生じているか把握していないが、本紙の取材では少なくとも1校で不在になっている。各校の養護教諭は健康管理を担っており、新型コロナウイルスの感染拡大で検温や学校PCR検査など業務が増えた。

 小中学校の養護教諭からは「産休や育休など、必要な休みを取りづらい」など、人員増を求める声が上がっている。養護教諭が不足している学校では保健室に登校する児童生徒への声掛けに影響が出ることから「今後不登校者が増えるのでは」との懸念も出ている。

 各学校への養護教諭の配置人数は、生徒数に応じて変わる。県内は、小学校で851人以上から、中学校で801人以上から養護教諭を2人配置する必要がある。2人を配置できず、1人で対応している学校は同日時点で小学校1校、中学校1校の計2校あった。

 県教委は「養護教諭の不在は年間を通してある」と説明。不足を補うために、人材の情報を関係者から募るなどしている。

(嘉数陽)

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