議員活動の見せ場となる「一般質問」が沖縄県議会で始まった9日、県議の玉城健一郎氏(37)は6月に生まれたばかりの息子を抱いて那覇市内のショッピングセンターにいた。共働きで同じく育児休業中の妻が美容室に行っている間、息子の面倒を見た。「公正で効率的な社会の実現には男性の育休取得が必要だ。議員が育休を取得することへの批判もあるが、だからこそ私は率先して取得して、男性の育休取得を推進したい」と強調した。
息子は生まれた直後、呼吸が安定せずに新生児集中治療室(NICU)に約10日間入った。しかし、自身は7月の参院選を前に、叔父である伊波洋一氏の選挙支援にかかりっきりで、「妻にはとても負担を掛けた」と振り返る。妻への感謝と男女平等社会を目指す自身の政治信念から育休を取得した。
町村議長会によると、7月現在で県内21町村議会が議員の育児休業を認めている。一方、県内11市で構成する市議会議長会は「把握していない」とした。 玉城氏は「私が今、育休を取得できるのは女性たちが男女平等を粘り強く訴えてきたからだ。会派の先輩女性議員らも後押しをしてくれた。育休取得率100%を目指して、制度を発信していきたい」と語った。
(梅田正覚)
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