沖縄県教育委員会は24日、来年度の組織改編で、教職員のメンタルヘルス対策と働き方改革の強化・推進を目的に「働き方改革推進課」を新設する方針を明らかにした。県教委の課の改編は2013年度以来、約10年ぶり。教員の精神疾患による休職者増加などの課題対応に特化し、新たな施策の展開を図る考え。
同課は、学校人事課より移管しメンタルヘルス対策を担う「健康管理班」と、働き方改革や業務改善を強化する新設の「業務改善推進班」で構成する。課の定数は、今後変わる可能性はあるが13人程度。
メンタルヘルス対策は県立学校だけでなく、市町村設置の小中学校の教員についても、市町村教委や各教育事務所と連携して対応したい考えだ。
働き方改革を巡っては、県教委は昨年3月に「教職員働き方改革推進プラン」を改定。学校人事課内の班が他業務と並行し推進を担ってきた経緯があった。通年で対応できる職員の配置で「各校種や地域にどのような課題があるかを把握し、改善を進めることが期待できる」(県教委担当者)と、新設に踏み切った。
県内では、教員の精神疾患による病気休職者の増加や、長時間勤務などが長年の課題になっている。県内公立小中高校と特別支援学校で精神疾患を理由に休職した教員は、21年度に199人と過去10年間で最多。在職者数に占める割合は全国で最も高かった。
半嶺満県教育長は、精神疾患の予防強化に加え「(精神疾患の)背景について、踏み込んだ調査研究による分析を検討する必要がある」と強調。「固定観念にとらわれず、働き方改革を推進する。新体制で課題に特化した取り組みを進めたい」と述べた。
組織改編は2月後半の教育委員会会議に案を諮り、正式に決定する。
(吉田早希)
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