【うるま】地対艦ミサイル部隊配備計画がある陸上自衛隊勝連分屯地(うるま市)で昨年11月に着工した隊庁舎新設工事が、貨物自動車運送事業法や道路運送法に抵触していたことが25日、分かった。発注者の沖縄防衛局は25日、琉球新報社の取材に対し、トラックによる法令違反の行為を認めた上で「受注者に対し、改めて関係諸法令を遵守(じゅんしゅ)するよう指導した」とした。配備に反対するミサイル配備から命を守るうるま市民の会が24日、現場責任者などに指摘していた。
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うるま市民の会が指摘した法令違反は、有償で運送できない自家用(白ナンバー)のトラックが貨物を有償で運送したとする貨物自動車運送事業法違反のほか、事業用(緑ナンバー)のトラックが事業者の名称などを示さずに運送したことによる道路運送法違反もある。同会の24日の目視調査では、運送した25台のうち、白ナンバーが12台、事業者名を表示しない緑ナンバーが12台あった。
25日はトラックの運送はなかった。
同会はさらに、建設業法に基づき建設業の許可票が見やすい場所にないことや、建設機械施工安全マニュアルに基づき出入り口の表示がないことも申し入れた。
防衛局はこの2点に関し、法令違反ではない見解を示した上で、許可票の位置を変更、出入り口の表示板を設置することを決めた。
同会はそのほか、雨で現場外に赤土が流れ出ている様子を確認し、県赤土流出等防止条例に抵触する可能性も指摘。また24日は吹き流し標識で強風を示していたが、クレーン車の作業をしていた。本来は中止しなければならず、労働安全衛生法違反の疑いも投げ掛けた。
同会の男性は24日、「国の事業なのにあまりにも工事がずさんではないか」と話した。現場責任者は同会の指摘に「改善するべきところは改善する」と答えた。
(古川峻)
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