25時間の彷徨の末に見たものは 「過信あった」ガイドの重要性を痛感 沖縄・与那覇岳で救助の男性


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「遭難多発」と書かれた看板=1日、国頭村の与那覇岳

 1月31日に国頭村の与那覇岳で遭難し、約25時間後に救助された男性(71)=今帰仁村=が本紙の取材に答えた。男性は与那覇岳に登ったことはないが「他の山を登ってきた経験から『与那覇岳も1人で行って、1人で帰れる』という過信があった」と振り返る。「知らない山を登るならガイドにお願いするべきだった」と声を落とした。

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 男性は31日午前11時ごろ、与那覇岳の登山道を登り始め1時間ほどで山頂に到着した。昼食を済ませて下山したが、途中で道に迷ったという。「登山道には分かれ道がいくつもあり、来た道を戻ったつもりが、気が付くと違う道を歩いていた。スマートフォン(スマホ)の電波が届かず勘に頼った」と語る。

 入山した場所を目指していたが、全く別の方向に歩いていたこともあり、方向感覚を失いスマホの衛星利用測位システム(GPS)の位置情報を頻繁に確認していた。

 同日午後6時ごろ、暗くなると枯れ葉の上で一夜を過ごした。男性の息子は同日午後8時15分ごろに「父親が帰ってこない」と119番通報し、名護署と国頭地区行政事務組合消防本部などが男性を捜索していた。

 2月1日早朝から男性は山中をひたすら歩き続け、川の水でのどの渇きを癒やした。同日午後0時50分ごろ、スマホに電波が入ったので110番通報し、県警が男性の位置情報を入手した。午後1時40分ごろ、山頂から東に約2キロの地点で座り込む男性を発見、救助した。男性は「警察官や消防隊員が見えたとき『これでやっと生きて帰れる』という安堵(あんど)で胸がいっぱいだった。知らない山に1人で入るべきではなかった」と強調した。

 国頭消防は「知らない山に入る場合は、地元のガイドに案内をお願いしてほしい。事前準備も必須だ」と呼び掛けた。
 (友寄開)


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