教員不足が深刻になる中、沖縄県教育委員会が学級担任未配置を防ごうと、次年度から公立小中学校1学級当たりの児童生徒数を増員する形で見直す可能性のあることが13日までに分かった。県はきめ細やかな指導を目的に、独自に国の基準を下回る少人数学級の実施を進めてきた。県教委は本紙の取材に「まだ何も決まっていない」と回答を控えたが、先週、各教委に「正式決定ではない」とした上で、可能性があることを伝えた。学校では複数校で、管理職から説明を受けた教職員もおり、県の動向に関心が集まっている。
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県は2021年度までに、小1・小2で30人、小3~中3で35人を上限とした少人数学級を実施している。国の基準は小1~小4・中1が35人、それ以外は40人となっている。
児童生徒数の上限が見直される可能性がある学年などは不明。複数の学校では35人から40人に上限が引き上げられる可能性について、職員会議などで管理職から説明があった。県教委は本紙の取材に対して「子どもたちに影響が出ないよう、学級担任の未配置がゼロの状態で新学期をスタートさせられるように臨任(臨時的任用教員)の掘り起こしなどに取り組んでいる」「この時期は学級編成の時期で、管理職もいろんな事態を想定して準備を進める必要がある」と説明した。
教員は17日に人事異動の内示が予定されている。説明を受けた教員からは、1学級当たりの子どもが増えることで担任の負担が増えることへの懸念や、担任未配置をなくす措置として肯定的な意見もある。
(嘉数陽)
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