沖縄県教育委員会は、精神疾患による教職員の病休者の増加を受け、精神疾患になった原因の調査分析と、相談体制の強化を図る新事業を2023年度から始める方針を6日までに固めた。新年度予算案に2千万円を盛り込んだ。文部科学省が同年度から始める委託事業を活用したい考えで、選ばれなかった場合は事業規模を整理縮小する可能性がある。県教委は「それでもできることから進める」と話した。
文科省の調査によると、県内の精神疾患による病休者は21年度199人で、過去10年間で最多、在職者数に占める割合は全国で最も高い1.29%だった。病休者の多さは、業務代行による他教員への負担増となり、さらに疲弊する教員が増えるなど、教員不足問題を深刻化させる要因になっている。
県教委は精神疾患になった原因の調査分析について、教職員への意識調査や復職者からの聞き取りなどを想定している。具体的な内容は今後話し合う。
小中学校を所管する市町村教委へは、再委託という形で全ての公立教職員、管理職を対象に、新たなメンタルヘルス対策を実施したい考え。
文科省は応募のあった中から5カ所を選び、1年で最大約1300万円の事業費を配分する。委託先が決まるのは4月以降。
(嘉数陽)
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