沖縄電力の顧客情報閲覧、新たに7件 「不正ではない」強調も再発防止へ 


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沖縄電力(資料写真)

 大手電力で相次ぐ新電力の顧客情報の不正閲覧を巡り、沖縄電力は17日、同社の小売部門で8件の閲覧を確認したと発表した。これまで、閲覧は1件と公表していて、新たに7件が確認された。いずれも偶発的な閲覧などで、営業活動への利用はないとして「不正ではない」との認識を示したが「公正な競争を妨げる可能性につながりかねない」として、再発防止策を講じるとした。

 沖電は他の大手電力とは異なり、小売と送配電を兼業する一体会社だが、送配電部門が管理する新電力の顧客情報の共有は公正な競争を確保する観点から電気事業法で禁じられている。沖電によると、送配電部門と小売部門が共同で使う営業システムで、暗号化すべき新電力の契約者情報266件が閲覧可能な状態になり、実際にうち8件が閲覧されていた。

 いずれも新設の契約地点の情報で、工事の進ちょくを確認する外部からの問い合わせなどの際に職員計9人が閲覧していた。

 これとは別に、再生可能エネルギー事業者の情報を管理する経済産業省のシステム不正閲覧に関しても、同社の小売部門の社員7人が送配電部門に限定されたIDを使いアクセスしていたと発表した。

 2022年7月の沖電の組織改編で小売部門と送配電部門で再エネの買い取り受け付けを分けた後も、小売部門の職員が送配電部門に限定されたIDを使用していたことが原因だった。アクセスは自社と契約する顧客情報の確認のためで、他社情報や送配電買い取り情報へのアクセスはしていないという。

(當山幸都)

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