「まだ不安」「表情見ながら卒業したい」沖縄のマスクなし卒業式、児童と保護者に理解と戸惑い


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社

 コロナ下で迎える4度目の卒業シーズン。沖縄県内29市町村がマスクなしを基本として卒業式を実施する。式を控える児童生徒からは「友達の顔が見える」と喜ぶ声がある一方で「感染がまだ収まっていないのに」と不安も。「一律で決めた方が子どもたちが迷わないで済む」と理解を示す保護者もいた。

▼【一覧表】小中学校の卒業式「マスクなし」は29市町村 

 名護市内の小6男児は「全員がマスクなしだと少し不安。本人の考えで選べるといい」と語る。母親は「感染への不安は残るが、一律で外すと決めたことで子どもも迷わないのではないか」と複雑な心境を明かした。

 宜野湾市内の小6男児は「6年間一緒に過ごした仲間の表情を見ながら卒業したい」と前向きだ。一方で、新型コロナに感染したことのある女子児童は「表情は見たいけど、かかったらつらい。安全な卒業式にしたい」とマスクを着用する考えだ。

 那覇市は「着用を奨励」しつつ、入退場や答辞などで「外すことを基本」としている。

 小学6年生の保護者の女性は「式ではそれほど声を出すわけでもないし、感染者数も落ち着いている。最後の節目なので、自分の子だけでなく他の子の表情もしっかりと見届けたい」と市教委の方針に賛同した。

(岩切美穂、名嘉一心、伊佐尚記)


【関連リンク】

▼沖縄県内公立学校の卒業式「マスク着用せずを基本」 県教育委員会が通知

▼3月13日以降のイベント、マスク着用「個人の判断」

▼那覇市「式典中はマスク着用を奨励」 市立小中学校の卒業式で保護者らに通知 沖縄

▼「大声あり」イベントの定員、収容率100%に コロナ対処方針、沖縄県が制限緩和

▼5類移行で医療逼迫も 関係者ら再拡大防止へ向け対策訴え