ノーベル文学賞作家で沖縄とも深い関わりのあった大江健三郎さんが88歳で亡くなったことを受け、沖縄県内の書店では14日、大江さんをしのぶ追悼コーナーが設置され、作品を手に取る人たちの姿が見られた。
▼沖縄に勇気と希望与えた 大江健三郎さん死去、県内関係者ら「平和への思い引き継ぐ」
ジュンク堂書店那覇店では、1階の話題書が並ぶ書棚近くに追悼コーナーが設けられた。「沖縄ノート」など15冊近くが並ぶ。森本浩平店長は「大江さんをしのぶ意味が大きい。功績が広く知られてほしい」と話す。森本店長によると、「沖縄ノート」は同店でこれまでに約千冊を売り上げた。大江さん死去を受け、改めて多くの仕入れを予定しているという。
豊見城市から同店を訪れた女性(68)は17、18歳のころから何度も「沖縄ノート」を読み、感銘を受けてきたとし「平和や弱者に対する姿勢が人間として素晴らしい」と話した。辺野古新基地建設反対などに取り組んだ大江さんに「なかなか本土の人に(沖縄の訴えが)届かない中で感謝している。見習わなくちゃいけない。沖縄の人が頑張らないと」と自らに言い聞かせる様子で語った。
(中村万里子)
【関連記事】
▼【動画】大江さん、辺野古移設「解決にならぬ」 政府の強行批判(2015年11月23日)
▼「知事の承認取り消し支持」 大江氏ら識者24人が声明(2015年10月26日)
▼大江氏、辺野古「沖縄の反撃に心から声援」本紙に手記(2015年8月7日ウェブ掲載)