「功績広く知ってほしい」大江健三郎さんしのび、沖縄県内の書店に追悼コーナー


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大江健三郎さんの死去を受け、設けられた追悼コーナー=14日、那覇市のジュンク堂書店那覇店

 ノーベル文学賞作家で沖縄とも深い関わりのあった大江健三郎さんが88歳で亡くなったことを受け、沖縄県内の書店では14日、大江さんをしのぶ追悼コーナーが設置され、作品を手に取る人たちの姿が見られた。

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 ジュンク堂書店那覇店では、1階の話題書が並ぶ書棚近くに追悼コーナーが設けられた。「沖縄ノート」など15冊近くが並ぶ。森本浩平店長は「大江さんをしのぶ意味が大きい。功績が広く知られてほしい」と話す。森本店長によると、「沖縄ノート」は同店でこれまでに約千冊を売り上げた。大江さん死去を受け、改めて多くの仕入れを予定しているという。

 豊見城市から同店を訪れた女性(68)は17、18歳のころから何度も「沖縄ノート」を読み、感銘を受けてきたとし「平和や弱者に対する姿勢が人間として素晴らしい」と話した。辺野古新基地建設反対などに取り組んだ大江さんに「なかなか本土の人に(沖縄の訴えが)届かない中で感謝している。見習わなくちゃいけない。沖縄の人が頑張らないと」と自らに言い聞かせる様子で語った。

(中村万里子)

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