台湾の「琉球ウミンチュの像」哀れ…劣化で左足がない状態に 再建検討も資金が課題


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左足が欠損している琉球漁民慰霊碑(沖縄物産企業連合台湾営業所の陳保佑所長提供)

 台湾・基隆の和平島公園内に設置されている「琉球漁民慰霊碑(琉球ウミンチュの像)」が、劣化で壊れている。2018年ごろからひびが入り始め、現在はウミンチュ像の左足がない状態になっている。

 現地にいる沖縄物産企業連合台湾営業所の陳保佑所長によると、ウミンチュが乗るサバニにもひびが入っている。

 和平島で亡くなった沖縄の人を慰める同慰霊碑は、2011年に台湾人有志「琉球ウミンチュの像建立期成会」で建てられた。日本による台湾の植民地化が進んできた1900年ごろ、基隆の和平島に沖縄のウミンチュが来るようになった。台湾の人に漁業の技術などを伝えるなど協力しながら生活を営んでいたが、1945年の日本の敗戦とともに沖縄人集落は消えたという。

 期成会は12年に解散したが再建を検討しているという。だが建立資金が課題となっている。

 陳所長は「基隆市民にとっては大事な歴史文化を伝える碑だ。ぜひ残したい」と話した。
(中村優希)

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