伊江村から初の大相撲力士へ 島袋偉海さんが放駒部屋に入門 島挙げて激励


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大相撲の放駒部屋への入門が決まり、放駒親方(前列左から3人目)と熱い握手を交わす島袋偉海さん(同4人目)=3月28日、伊江村の川平区公民館

 【伊江】沖縄県伊江村から初めて大相撲に挑戦! 同村出身の島袋偉海(いなつ)さん(西小―伊江中―中部農林高)がこのほど、大相撲の放駒(はなれごま)部屋への入門を決めた。偉海さんを激励しようと3月27日、出身区の川平区で激励会が開かれ、区民や関係者ら約100人が出席し、角界への一歩を祝福した。

 偉海さんは小学校から相撲を始め、小4の時に初めて県大会で優勝して全国大会に出場した。中部農林高では同区出身の小濱寿監督の自宅で下宿しながら主将を務めた。この日は大阪場所を終えた師匠の放駒親方(元関脇・玉乃島)も駆け付けた。

 激励会で偉海さんは「小学校の時に相撲のテレビを見て力士になりたいと思った。夢の大相撲の世界に入門できたのも島の皆さんのおかげ。みんなから愛される力士になり、島に恩返しができるよう日々稽古に精進する」と決意表明を述べた。

 名城政英村長は「師匠の教えをしっかり守り、しぶとく、まっすぐにぶつかって頑張ってほしい」と涙ぐみながらエールを送った。会では川平区に伝わる民俗芸能などが披露され、村教育委員会と村体育協会から偉海さんに激励金が贈呈された。

 放駒親方は「地元の声援を背負い、関取になって故郷に錦を飾れるよう指導していきたい」と話した。

 父の茂明さんは「娘の心海も相撲を続けるため鳥取城北高校に進学したばかりだが、自分が決めた目標に向かって一生懸命頑張ってほしい」と語った。

 翌28日には、家族らに見送られながら偉海さんは放駒親方と共に島を離れた。偉海さんは「島袋」というしこ名で5月に序の口からデビューする。

(金城幸人通信員)

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