【南北大東】南・北大東島で1月から記録的な降水量の少ない状態が続いており、基幹作物であるサトウキビの発芽に影響が出ている。南大東島地方気象台によると、南大東島は平年値の31%で「1942年2月に統計が開始されて以来、最も少ない」と話す。北大東島も同様に平年値の39%だ。南大東村さとうきび生産組合長の儀間勉さん(66)は「貯水池が底をついている状態で、このままでは来期収穫に大きな影響が出る」と危機感を募らしている。
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同地方気象台によると、南大東島の1月1日から4月20日の降水量は101.5ミリ(平年値326.1ミリ)。月別では特に3月が少なく5ミリだった。1月が31.5ミリ、2月が23.5ミリ。4月に入り41.5ミリとやや増えたが、水不足の解消には至っていない。
儀間さんによると、3月中に前期の収穫を終え、例年なら30~40センチまでになる新芽がほとんど伸びていない。島内4カ所の貯水池はほぼ底をつき、地区を限って水をまいている。島の中央にあるカルスト湖沼群は表面数十センチは淡水だが下は海水。「水の塩分濃度が上がっているが、それでもまいている。肥料や農薬も続けないといけない。肥料高騰の上に干ばつのダブルパンチだ」と説明。このまま小雨が続くと「水をまけない地区では枯れるし、まいている地域も生育が悪くなる」と悲鳴を上げた。
北大東島の1月1日~4月20日までの降水量は111.5㍉(平年値281.0ミリ)。同島でも雨不足によるサトウキビ生育への影響を懸念する声が上がっており、貯水池の限られた水を送水している。関係者は「雨が降っても少量。早く梅雨入りするのを願っている」と話す。生活用水は南北大東ともに海水淡水化施設があるため問題ないという。
同地方気象台によると、1月上旬ごろから低気圧や前線の影響を受けにくかったことが原因。1カ月予報では、今後も例年に比べ降水量の少ない状態が続く見込み。 (池田羊子通信員、岩崎みどり)
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