公募の副町長案を否決 竹富町議会、全会一致で 町長は論文評価、議員は「素性を知らない」など反対


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公募による副町長人事案を全会一致で否決した竹富町議会=30日、町議会議場

 【竹富】竹富町議会(大久研一議長)は30日の臨時会で、副町長に、公募で選出された町まちづくり課主任技師の上野紗季(さとし)氏(41)を充てる人事案を全会一致で否決した。町総務課によると、副町長の公募は県内初だった。大浜知司副町長は31日付けで辞職する。

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 前泊正人町長は閉会後、報道陣に対し「残念だ」と述べ、今後の人事案については今回応募した人やそれ以外も含め「ゼロから考える」とした。

 町議は上野氏の若さや論文内容などを評価しつつ「職員との信頼関係や連携確立がまだ達成されていない」「素性を知らず副町長にふさわしいと言えない」などとして、反対した。

 町は大浜副町長の辞職申し出に伴い、1月から2月にかけて、副町長を公募していた。応募資格は日本国籍を持つおおむね満25歳以上などと定め、県内外から53人の応募があった。

 候補者は町の行政課題への取り組み方や独自の政策などに関する論文を提出した。前泊町長が履歴書は見ず、論文内容から8人を選んだ。その後、個別面接を経て町長が上野氏に決めた。

 町長は選考理由として、上野氏の論文の内容が「町の課題解決に向け(自身の考えと)一番合致した」と述べた。
 (照屋大哲)


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